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かまぼこ板の物語天使に出会ったかまぼこ板やあ、みなさん「こんにちは」ぼくのふるさとは、四国の山の中愛媛県の西予市城川町という水と緑と空気のおいしい小さな町なんだ。ぼくたち木は、山でのーんびりと日なたぼっこをしながら、空気をつくったり、水を守ったり風と遊んだり、鳥とおしゃべりをしたり・・・そんなことをしながら大きくなるんだ。それからね、みんなの使うノートやえんぴつ、机やイス、家の柱にもなったり・・・と、いろんな人生があるんだよ。ある日、ぼくはいたずらヒヨドリから「海」の唄を聞いたんだ。「山のむこうのそのむこう、川のおわりがあったとさ川のおわりは水をため、しょっぱい海になったとさ山より大きな魚たち、天まで水をふきあげてのたりのたりと泳ぐのさ」その唄を聞いた日から、ぼくはまだ行ったこともない「海」の夢ばかりみつづけていたんだ。それなら・・・・・・とヒヨドリが教えてくれたのさ、―「かまぼこ板」になればいいってね。―「海」の近くへ行けるってね。この山を離れるのはさみしいけど、ぼくは「かまぼこ板」になる決心をして潮の香りのする町をめざしたんだ。116