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概要

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28大瀬自治会癒いやしの里づくりを展開していきますまた、行政も大瀬地区住民の後押しをして、92年、大江文学のふるさとにふさわしく大瀬中学校を建設。将来の大瀬・成留屋地区を考えたホープ計画を策定し、2000年には街なみ環境整備事業を導入するなど官民とも地域づくり活動においては、一定の成果が生まれています。一方、94年に、地元出身の大江健三郎氏がノーベル文学賞を受賞し、「大瀬」の名は、世界に響きわたりました。しかし、大瀬地区の過疎化、高齢化は依然として止まっていません。農山村の存続までもが危ぶまれています。国土の大半を占める農山村地域、とくに大瀬地区には、空気、緑、水、土壌など生命の営みに不可欠な自然環境が残されており、今なら再生可能な状態です。21世紀を迎えた今日、農山村の再生という新たな地域づくり活動=自治活動が求められています。大瀬の挑戦大瀬地区の農山村の再生を考える前に、大瀬の特長とはどんなものか考えてみます。一つは、澄んだ空気、棚田や森林が広がり、おだやかに流れる小田川といった自然豊かな風景、昔懐かしい田舎の「原風景」でしょう。二つ目に、弘法大師の通った道=遍路道に総称される人情味豊かな「お接待の心」でしょう。三つ目に、曽我十郎の首塚、萬福寺、三島神社に代表される確かな歴史遺産や、大江健三郎氏が育った質の高い文化水準ではないでしょうか。今まで大瀬地区を支えてきた私たち住民の体の中には脈々と流れている気質「大瀬魂」があります。過去数回にわたって起こっている権力に屈しない農民一揆もその一つです。このような大瀬の個性、特長をもう一度見直すことが、これからの大瀬のあるべき姿を模索するうえにおいても、今後の自治会制度の中においても最も大切なことではないでしょうか。それらを問い直す意味においても『大瀬の村民一揆構想』を継承し、揺るぎない大瀬地区を目指すために住民の皆さんの合意に向けて『癒しの里づくり構想』を提案します。自然の中で、気持ちが癒され、土地柄で心が癒され、新しい考えや挑戦する気持ち、心を21世紀には取り戻したいと考えています。住民宣言1快適環境づくり(自然)森や川は自然の骨格で、基本的な要素である。20世紀はこのような自然の骨格を壊してきた世紀だといわれており、21世紀は自然を取り戻す環境の世紀だといわれている。私たちは、現在ある大瀬の自然や環境を守り、ときには再生する活動や行動をする。また、私たちが生活する中で水道や下水道などのすべての分野で循環可能なシステムづくりに努め、快適で住み良い環境を確保する。2心と体の健康づくり(人)少子・高齢化社会を迎えた今日、私たちは地域が崩壊しないか不安でいっぱいである。しかし、この地域で暮らさなければならない。その不安を解消するために、まずは、地域住民が集まってわいわい、がやがや話し合うことや場所が必要だと考える。そうすることで不安を解消し、心の健康、体の健康につながることとなる。地域内の助け合いのコミュニティを創ることにより、元気印の高齢者や住民が育つことが大切である。そのために集落間連絡道路の整備や医療機関、福祉施設の充実などが必要不可欠であり早急に整備しなければならない。私たちはこの地域で生活し、暮らしてよかったとい1991年『大瀬の村民一揆構想』という地域づくり計画書を策定しました。これをきっかけに乙成地区の曽我十郎の首塚に眼を向けた大祭、大久保地区の陣ケ森を考えた森づくり、成留屋地区の大瀬村役場の「大瀬の館」としての復元および管理運営、国道や河川敷などへの緑化樹植栽と管理など、活動が展開していきました。おおせ