ブックタイトルuchiko_all
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69あがりこんだ途端に、つい、囲炉裏のそばに寄ってしまった見えない温もりに巻かれ心の鍵が外れる石畳の宿にはお品書きはないこの土地にあるものがある季節に出されるのみからっと揚げて塩でいただく山菜ふっくらと煮しめた野菜じっくりと炭火であぶった川魚料理はもと、この地区の法事があった時のものという法事は突然やってくるいる人であるものを持ち寄り、故人を偲しのんで集まってくれた人たちをせいいっぱい、もてなしたその名残り「明日、うちの味噌、持って来るけぇ」「うちの白菜、持ってきたんよ」賄まかないをする地域の婦人たちの台所から、畑から、おすそわけをいただく簡潔な味つけに、素材の本当の味がしたマチの生活からすれば無駄の多いムラの空間と時間忘れていた大事な何かに気づいた夜