ブックタイトルuchiko_all
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大地の呼吸天から巡ってきた水が大地に降り、緑なす山々はきれいに汚れをぬぐい、山懐の水はやがて水流を作りだして大地を這い、海に注ぎ込んで空へと運ばれます。植物は、二酸化炭素を取り込み、酸素を放出しながら、自らを育て、大気を浄化し、地表の温かさを保ち、生命を守ります。その神秘で大いなる循環の中で、人は自然とともに命を育み、生かされていきます。21世紀を賢明に拓くために、私は命を育む循環の仕組みを深く理解して貴重な資源を守り、未来を見据えた上で、大地の恵みを生かした足下からのまちづくりをしていきたいと考えております。今後10年の地域づくり計画を拠所とした、町内18地域の町づくりの胎動が、やがて大きな産声を上げることを信じ、そして内子に住んで本当によかったと、幸いを感じるまちになるよう、みなさんと手を取りあい、全力を傾けて取り組む所存です。そして、深深と呼吸する大地の上の「エコロジータウンうちこ」を実現させるために…。晩秋、中学生たちが数人ずつのグループに別れて町内のさまざまな農家で、一日農業体験をするというので撮影に出かけた。紹介されたグループのテーマは、柿の収穫。訪れた時間は、ちょうどお昼どきだった。彼らを受け入れていた方の庭で昼食をとっているところだった。く庭の片隅には火が焼べられ、大きな鍋がすえられている。額に汗して働いた後の飯は、さぞ旨いことだろう。かお面白可笑しいご主人の話に、中学生たちの笑顔が、時折、はじける。やわらかな陽射しと、森をわたるのどかな風。いつの時代も変わらない、心の在処が、そこにあった。2002年3月内子町長河内紘一84